養育費はあとから変更されることがある?

養育費は、子供と離れて暮らす親がその子の扶養のために、養育している側の親に支払うお金です。養育費は通常離婚時に決められ、毎月一定額を子供が成人等するまで支払われるものです。

子供が小さいときに離婚している場合などは、養育費の支払いは長期にわたります。支払期間中に義務者側も権利者側も、転職、再婚など生活面において様々な変化があることも多いです。そのため、離婚の際に養育費について取り決めをしたとしても、支払期間中の事情の変更によっては、養育費の減額や免除、増額がなされることがあります。

この記事では、養育費が離婚後に変更になる場合についてご説明します。

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1.養育費の変更

 上述のように、養育費の支払い期間は通常長期間にわたりますので、当初とりきめた養育費の額が、その後の家族の身分関係や、両親の経済状況の変化によっては妥当ではなくなることがあります。そのため、民法766条3項では、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、以前の取り決めを変更することができると規定しています。養育費が変動になる典型的な例は、支払義務者側に大幅な経済状況の変化(転職、失業などによる収入の増加や減少や、権利者が再婚し、再婚相手と子どもが養子縁組をした場合などがあります。

 

2.養育費変更の具体的な手続き

養育費については、当初取り決められた金額が生活の実体に合わなくなってきたとどちらかの当事者が感じたら、まず養育費の減額や免除、あるいは増額を求めて、相手方に話し合いを求めるという流れになります。

当事者間の話し合いで、変更について納得が得られれればそのとおり変更となります。養育費の変更の取り決めを当事者間で協議で決める場合は、公正証書にしておくことがおすすめです。

協議で決まればスムーズですが、やはり通常は義務者側はなるべく支払いを押さえたいと考えますし、権利者側はなるべく多くもらいたいと考えます。

そこで、折り合いがつかない場合は、金額の変更を求める側が調停を起こし、調停手続きの中で、調停あるいは審判で、変更の是非や変更後の金額を決めていくということになります。

 

 3.再婚と養育費の変更

養育費が変更になる要因の一つとして、義務者あるいは権利者の再婚がありますが、ケースにより変更になる場合とならない場合があります。まず、養育費を受け取っている義務者のほうが再婚した場合は、義務者が再婚した相手と子供が養子縁組をし、新たな配偶者に収入がある場合は、養育費の減免が認められる可能性があります。

養子縁組をすると、養親と養子の間には、実の親子同様扶養義務が発生します。普通養子縁組では、養子縁組をしても実親である義務者との親子関係がきれるわけではないのですが、養親がいる以上、養親は非養育親である義務者より第一義的な扶養義務を負うことになるからです。一方、再婚相手が子供と養子縁組をしていなければ、一緒に暮らしていたとしても法的には親子ではありませんので、養育費には影響がありません。

 

 

では、養育費を支払っている義務者のほうが再婚した場合はどうなるでしょうか。

この場合も、ケースバイケースですが、減額が認められることがあります。

再婚相手は配偶者になりますので、例えば再婚相手が専業主婦などで収入がなければ、義務者の扶養家族となります。また、再婚相手との間に新たに子供が生まれたり、再婚相手の連れ子を養子にした場合、その子供達にも扶養義務が発生します。このように扶養義務を負う相手が増えたことによって、養育費の減額が認められる可能性があるのです。

4.最後に

いかがでしたでしょうか。養育費の取り決めが離婚後に変更になる場合について、ご参考になれば幸いです。