家庭内のDV(ドメスティックバイオレンス)は、どんなに平和な世の中になったといってもなくなることはありません。また夫婦間だけでなく、子供にまで被害が及ぶこともあります。
とくに新型コロナウィルスにより、度重なる自粛生活とストレスから相談窓口などに連絡のある被害件数はかなり増えているといいます。
しかし、実際にはその何倍もの人が配偶者・親族・ときには子供からのDVなどに苦しんでいるのでしょう。
この記事を読んでいるあなたが、今現在相手からのDV被害に悩んでいるのであれば、まずは自分の身の安全を確保することが最優先です。
早い段階で別居をしてください。
1:DV被害は第三者に頼ること
最初にいっておきますが、DVはまず1人で解決することはできません。必ず第三者に助けを求めましょう。自分だけが我慢すれば、丸く収まるという気持ちでは、DV加害者の行動がエスカレートしていきます。
また、頼る相手についても考慮が必要です。実家の両親などが理解のある場合はいいですが、必ず被害者側のあなたの意見を素直に聞いてくれるとは限りません。一昔前の考えで「女は夫の所有物だから我慢しておけばいい」というような見解の人であれば、よりあなたが窮地に立たされてしまうこともあります。
場合によっては、身内だけでなく専門機関などに相談することも視野においてください。
- 内閣府DV相談窓口 0120-279-889
2020年4月より、スタートした深刻化しているDV被害を懸念して作られた相談事業です。フリーダイヤル電話や、メール、チャットなど24時間対応で相談できます。
このほか、住まいの市町村ごとにも相談窓口が開設されています。あなたは1人ではないということ知っておいてください。
2:DVにより離婚をしたい場合
配偶者からDVを受けていることを理由に離婚を申し立てても、絶対に離婚が認められるとは限りません。DVをされている証拠が必要です。
離婚を考えたら、まずは証拠集めを始めてください。
- 日常的な暴力を証明できるもの(写真・音声録音・メモ)
- ケガなどがあった場合は診断書
などです。肉体的な暴力だけに限らず、精神的な暴力(モラルハラスメント)、経済的暴力、性的暴力なども「婚姻関係を継続し難い重大な事由」として認められる場合もあります。
DV離婚は証拠が多ければ多いほど、有利です。どんなに細かいことでも物証として集めるようにしてください。
3:調停と訴訟
DVの証拠を集めたら、離婚調停の申立てをします。DVの場合は、普通の離婚調停とは異なり、身の安全を確保するために配慮をしてもらえます。
相手と鉢合わせしたりしないようにしてもらえるので、安心してください。また、この際にはできれば弁護士に依頼をしましょう。DV加害者は、弁護士をつけるかつけないかでも、かなり出方が変わることもあります。
経済的に余裕がないという人も、法テラスなどを利用すれば、無料相談や弁護士費用立替などの措置があります。
家庭裁判所による調停で、相手が離婚に応じない場合は、最終的に離婚訴訟を提起することになります。DVの場合は離婚と、慰謝料の請求についても認められることが多いので、のちに慰謝料がきちんと払われなかったとしても、差し押さえをすることができるようになります。
4:最後に
DVを受けている人は、まずは身の安全の確保を最優先してください。経済的にも不自由で、身内に頼ることができないという人も、諦めずに専門の相談センターなどに連絡をしましょう。
あなたの身の安全の確保や、手助けをしてくれるはずです。その上で、弁護士などの専門家に相談をして、離婚の手続きを進めることをおすすめします。DVはあなただけが我慢すればいいという問題ではありません。必ずエスカレートし、悲しい事件に発展してしまったり、身心ともに深い傷を残すことになってしまいます。
DVに苦しんでいる人は、一刻も早くその生活から抜け出す行動をして欲しいと願います。