離婚前に行う手続きと離婚後に行う手続き

今回は、離婚前に行う手続きと離婚後に行う手続きについて解説していきます。

 

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1:離婚前に行う手続き

離婚届の直接的な記載や提出には関係ありませんが、離婚成立前にしておかないと後からトラブルになったり、後悔したりする手続きが5つあります。
離婚前には5つの手続きや準備を済ませておきましょう。

 

 

離婚前に財産分与について決める

離婚前に財産分与について決める必要があります。
財産分与について決めていなくても離婚届は受理されますが、離婚後に財産分与を決めようとしてもすでに財産が散逸していたり、元配偶者と連絡が取れなかったりします。


離婚していない、つまり夫婦という関係で拘束されている間に財産分与について決めておくことが重要なのです。

 

財産分与は婚姻関係にあった期間の財産の清算になります。
離婚に際して夫婦で築いた財産をわけることを意味するのです。

 

財産分与の対象になるのは現金や預金、有価証券、不動産、車、保険、年金などになります。

 

財産分与の対象外になるのは、結婚前から有していた財産や親から相続した財産、別居後に取得した財産などです。

 

 

離婚前に親権について決める

すでにお話ししましたが、親権について決めていなければ離婚届は受理されません。

親権について決めるとともに、子供の面会交流などについても決めておきましょう。

 

 

離婚前に養育費について決める

離婚しても子供の親であることはやめられません。
離婚後も親として子育てをしなければいけません。

 

子供を引き取って育てる親に対して子供の同居しない側の親は養育費の支払いというかたちで養育に参加します。

 

離婚後は養育費の不払いなどが問題になるケースは、よくテレビなどのニュース媒体でも取り上げられます。

 

養育費の不払いや取り決めがなかったことによるトラブルを避けるためにも、離婚前に養育費の額や支払い方法などを決めておくことが重要です。

養育費の目安は裁判所で公開している「養育費算定表」が目安になります。

 

離婚前に慰謝料について決める

慰謝料はすべての離婚ケースで発生するわけではありません。
離婚について配偶者に不貞行為やモラハラ、悪意の遺棄、DVなどの違法な原因があれば請求できます

 

性格の不一致などの夫婦どちらにも原因がない場合は基本的に慰謝料の請求はできません。
慰謝料請求の可否や相場などは弁護士に確認することをおすすめします。

 

離婚前に離婚後の住居や生活費の準備をする

離婚前は離婚後の住居や生活費などの準備も進めておきましょう。
離婚が成立してからも共同生活をおこなうことはまずありません。

 

離婚が成立しても「住む場所がない」「生活できない」となってしまっては、路頭に迷ってしまいます。子供の親権を持つ側がこのような生活上の問題に直面すると、子供の養育にも影響が出てしまうのです。

 

離婚後は夫婦別々の道を歩みます。離婚する場合は離婚後の生活も視野に入れて準備を進めましょう。財産分与などをおこなうときも、離婚後の生活を視野に入れた離婚条件を決めることが重要です。

 

2:離婚後に行う手続き

離婚が成立して新しい生活に移る際は5つのことをしておく必要がありません。

 

離婚後に各種手続きを済ませないと、離婚後の生活で困ることが出てくることでしょう。

 

離婚後の生活に支障が出ないように手続きを終わらせてこそ離婚手続きが完了するのです。

 

離婚後は健康保険や年金の手続きをする

離婚後は名前や住居が変わります。
離婚後の生活に合わせて健康保険や年金の手続きをしておきましょう。

 

夫の健康保険に入っていた場合は早めに手続きしておかないと、病気やケガがあったときに負担額が大幅に増えてしまいます。

 

自分の新しく加入する保険などを確認し、必要な健康保険の手続きをしておきましょう。

 

離婚前に夫の厚生年金の扶養になっていた場合は国民年金の手続きも必要になります。

 

離婚前と離婚後の自分の就業状況などの変化によって手続きの要不要がわかれるため、年金窓口などに確認を取ることをおすすめします。

 

離婚後は戸籍や住民票の手続きをする

離婚後に新住居を本拠地として戸籍を作る手続きなどが必要になります。
戸籍作成後に住民票も自動的に移るわけではないため、住民票の手続きも合わせて進めましょう。

 

戸籍や住民票の手続きについては、自治体の窓口や離婚問題に詳しい弁護士に確認しておくとスムーズです。

 

離婚後は金融機関やカードの手続きをする

離婚後にすぐおこないたいのは、金融機関の口座やクレジットカードの手続きです。

 

たとえば銀行口座の名義変更手続きには通帳の印鑑や本人確認証などが必要になります。

 

口座のある金融機関や使っているクレジットカードの会社に確認しておきましょう。

 

金融機関の口座やクレジットカードは生活に直結します。
離婚後すぐに手続きすることをおすすめします。

 

離婚後は車の名義や運転免許証の手続きをする

財産分与で夫名義の車を受け取った場合は、離婚後に車の名義を妻に変えなければいけません。

 

車の名義変更手続きも早めに済ませたい手続きです。
車の名義変更は管轄の運輸支局でおこないます。

 

姓や住所が離婚により変わっていれば、運転免許証の変更手続きも必要です。住民票や新住所へ送付された公共料金の領収書などを管轄の警察署に提出して手続きをおこないます。

 

離婚後に必要になるその他の手続き

ご紹介した手続きの他には、水道やガス、電気、スマートフォン、パスポート、インターネット、生命保険などの手続きが離婚後に必要になります。

 

それぞれの会社に手続き方法を確認し、生活に影響が出そうなものから優先的に終わらせると新生活もスムーズです。

 

手続きを忘れそうなときはメモに姓名変更や住所変更などの手続きが必要なサービスをリストアップし、終わったものから打消し線をするなど、工夫してみてはいかがでしょう。