住宅ローンや不動産の基本的な情報を確認したら、次は住宅ローンにどのように対処するかを考えます。
対処法は5つあり、住宅ローンの返済状況などによって対処法が変わってきます。
1:住宅ローンの5つの処理方法
家を売却してきつい住宅ローンを解決する
きつい住宅ローン解決の代表的な方法として、家を売却する方法があります。
家を不動産売却して売却金できつい住宅ローンを清算するのです。
住宅ローンを清算できれば返済がひとつ減ります。
他に返済分がなければ養育費の支払いひとつになるため、支払い関係もシンプルになるはずです。
家を売却して売却金で住宅ローンを清算する方法は、住宅ローンの返済苦の解決方法などとして実際によく使われています。
ただし、家を売却して住宅ローンを解決する方法には注意点があります。
注意点は「オーバーローン」と「アンダーローン」になります。
アンダーローンとは、不動産の価値(売却価格)が住宅ローン残債を上回っていることです。
住宅ローン残債が600万円で家の価格が800万円などのケースを指します。
このようなケースでは家を売却することで住宅ローンを清算可能です。
売却金が住宅ローンの清算後に余れば、その分については家の持ち主の財産になります。
養育費の支払いをしながら名義人が住むケースでの対処法
住宅ローンがきつい場合の支払いですが、住宅ローン残債によってはそのまま住み続け、住宅ローンと養育費の支払いをすることもひとつの方法です。
たとえば住宅ローンの支払いがもうすぐ終わりそうである。
住宅ローン残債が少ない。
このようなケースではあえて家を売却する必要はないかもしれません。
住宅ローンの支払いが終われば負担が減るわけですから、もう少しの期間辛抱して払い続けるという方法もあるのです。
住宅ローンなどを払い元配偶者と子供が住むケースでの対処法
住宅ローンを名義人が支払い、元配偶者と子供などが家に住み続けるケースもあります。
このケースでは養育費と住宅ローンの相殺などがおこなわれたり、養育費の計算において住宅ローンの支払いが考慮されたりすることがあります。
もちろん住宅ローンの解決に不動産売却を使うことも可能です。
ただ、このケースでは住宅ローンの解決に不動産売却を使ってしまうと、元配偶者と子供の住む家がなくなってしまうという問題点があります。
滞納してもいずれ競売し、元配偶者と子供の家がなくなってしまいます。
住宅ローンを解決することも重要ですが、養育費負担の方に目を向けてはいかがでしょう。
養育費は収入状況などが変化した場合は減額できる可能性があります。
弁護士などに支払いがきつい状況について相談してみるとよいでしょう。
住宅ローンの債務者を変更する対処法
金融機関は、離婚したからといって住宅ローンの債務者の変更に応じてくれることはまずありません。
なぜなら離婚という事情は金融機関には関係がないからです。
金融機関が住宅ローンを組むときは債務者の資力などを審査したうえでお金を貸していますから、債務者を変更されると返済が不安定になり返してもらえないのではないかという不安もあるのです。
養育費の支払いがきついという理由があっても、それもやはり家族の事情ですから、金融機関にとっては関係のないことになります。
しかし、中には金融機関が債務者の変更を承諾するケースがあるのです。
たとえば夫が住宅ローンの債務者で年収が300万円、他にも支払いを抱えていたとします。
対して離婚した元妻は夫より収入が多く負債もなく、安定した仕事状況でした。このように、現債務者より返済面で有利だと判断できる債務者への変更は、金融機関側が承諾する可能性があります。
住宅ローンの債務者などを変更して対処するという方法もあるということです。
金融機関に住宅ローンの返済について相談する
住宅ローンを借りた金融機関に住宅ローンの返済について相談するという方法もあります。
相談しただけでは住宅ローンの返済をなくすことは当然ですができません。
しかしながら返済金額や返済期間の見直しなどには応じてくれる可能性があります。
たとえば月10万円の住宅ローンの返済がいくらか少なくなれば、その分だけ支払いがきつい状況は緩和されるはずです。
返済金額などを見直し、養育費や住宅ローンの支払いがきつい状況を緩和できるかシミュレーションしてみてはいかがでしょう。
2:養育費と住宅ローンの支払いがきついときのよくある質問
養育費と住宅ローンの支払いがきついときのよくある質問についてふたつほどご紹介します。
元配偶者の生活費や返済が増えると養育費も増えるのか
養育費はあくまで子供の養育のためのお金です。
離婚により元配偶者の生活費負担が重くなったり返済の負担が重くなったりするからといって、高額の養育費を請求されるケースがあります。
しかしながら養育費は子供のためのお金ですから、元配偶者の生活費や返済などを理由に増額する必要は基本的にないのです。
高額の養育費などを請求されて困っている場合は弁護士に相談してみるといいでしょう。
状況にあわせた養育費や住宅ローンへの対処法が見えてくるはずです。
公正証書の養育費などの取り決めは守らなければならないのか
公正証書で決めた内容は、住宅ローンと養育費の二重支払いがきついなどの理由によって破ることはできません。
公正証書で取り決めた約束を破ると、最悪の場合は強制執行のリスクがあります。
養育費と住宅ローンの支払いがきついときには、不動産売却による住宅ローンの清算といった方法があります。
他にも選択できる対処法が見つかるかもしれません。
弁護士に相談して、状況にあわせた対処法を検討してはいかがでしょう、
3:最後に
離婚後に養育費と住宅ローンのふたつの支払いが重なってしまうと、返済がきつい状況になってしまう可能性があります。
離婚前に対策を取ることも重要ですが、離婚後に住宅ローンの支払いなどを持ち越してしまっている場合はきついと感じた時点で対処することも重要です。
不動産売却による住宅ローンの清算といった方法がありますので、事情にあわせた方法で対処しましょう。
住宅ローンと養育費のきつい支払いで困り適切な対処法がわからないときは、まずは弁護士に相談し、適切な対処方法から検討していきましょう。