モラハラと離婚について

いわゆるモラハラ、モラルハラスメントによる離婚は近年増えています。モラハラとはいったいどのような状態をいい、モラハラが認定された場合どのような対応がとれるのでしょうか。この記事では、モラハラと離婚についてご説明します。

 モラハラ夫の特徴まとめ26個と対処方法!弱点・復讐・仕返しと離婚方法 | Spicomi

 

1, モラハラとは?

モラハラとは、モラルハラスメントの略称をいいます。ドメスティックバイオレンスの一種ですが、殴る蹴るなど肉体的な暴行ではなく、暴言や無視などにより相手に精神的な虐待をすることをいいます。結婚生活は長期にわたりますし、仲が近い分、夫も妻もモラハラの潜在的な加害者にも被害者にもなりえるといえます。

精神的な虐待になるか否かは、当事者間の人間関係や被害者の価値観や性格にもよって異なるので判定が難しいこともありますが、例えば性格や能力、容姿をけなすような発言、自分の指示に盲目的に従うような強制、実家や友人関係を断絶するような要請等、一方的なコミュニケーション拒絶などの事態があって、被害者の方が苦痛に感じている場合は、一度モラハラに該当するのではないかという可能性を考えてみてもよいでしょう。

家庭内のモラハラはクローズな空間であることや、他人に打ち明けづらいということから、被害者がぎりぎりまで我慢してしまうという事態も多発しています。不安に思ったりストレスがたまったりしている場合は、迷わず専門家に相談しましょう。

 

2.モラハラ被害にあった場合の解決方法

まずは、専門機関に相談してみましょう。すぐに離婚を希望している場合でないとき、緊急性が低い場合は市町村など自治体に設置されている男女共同参画センターの女性相談窓口や、民間で信頼できる夫婦関係調整カウンセラー等に状況を相談してみるのがよいでしょう。第三者を入れての夫婦間のコミュニケーションによってはじめて、モラハラの加害者である配偶者が、自分がモラハラをしているという可能性を自覚するということもあります。モラハラは、加害者自身が、自分の幼少期の両親の関係や親から直接受けてきたモラハラに悪影響を受けて知らず知らずやってしまうことも傾向的に多いと言われています。

 

話し合いや第三者の介入によってもモラハラが解決せず、離婚による解決を模索する場合は、まずはモラハラの客観的な証拠を集めるようにしましょう。家庭内というクローズな環境でのモラハラは人目に触れにくいので、調停や裁判になったときに第三者に客観的なモラハラの事実を証明する証拠を取ることが必要です。

 

一概にはいえませんが、モラハラ加害者は被害者を束縛したいという気持ちが強いことも多いですので、被害者がモラハラによる離婚を求めても離婚に合意しないケースが多いようです。日本の法律では、離婚は民法第770条第1項上の法定離婚事由が認められない限り、相手が同意しないと離婚をすることができません。

モラハラは行為の程度や内容によっては、上述する法定離婚事由の中の「悪意の遺棄」や「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当することがありますので、離婚したい場合はこの事由に匹敵するほどの被害があることを証明する必要があるのです。

 

モラハラの存在の証拠集めとしては、モラハラがいつどこでどのようになされたのかを具体的に示せるものを探す必要があります。例えば、モラハラが行われている際の音声データや動画データをスマホやICレコーダーで記録したり、メールやSNSの記録を取っておいたりする手段があります。また、最中の記録がなかなかとれなくても、継続的に日記をつけたり行政や警察、病院との相談記録を取っておいたりすることも有効です。

 

3.最後に

モラハラを立証することができれば、相手の同意がなくても裁判離婚ができたり、また場合によって精神的苦痛に対する慰謝料請求もできたりします。モラハラに苦しまれている方は、是非一度専門家に相談してみましょう。