よくあるご相談 子の氏の変更

 離婚問題でご相談いただく皆様が最も悩む問題の一つに、愛するお子様についての諸問題があります。親権や養育費についてのご相談はもちろんですが、離婚に際してお子様の苗字や戸籍をどうするかは、個人のアイデンティティに関わる問題であるだけに、皆さま少なからず迷われるようです。この記事では、離婚に際する子供の苗字や戸籍について知っておきたい知識をまとめました。

 

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1.結婚に伴う氏や戸籍の変更

日本の民法は、夫婦は同じ姓を名乗ることを義務付けており、多くの夫婦は結婚時に夫の姓を名乗ることを選択しています。また、妻は婚姻に際して、実家の父親の戸籍から抜けて夫の戸籍に入ります。そして、夫婦の間に生まれた子供は、通常父親の戸籍に入ることとなります。

 

2.離婚に伴う妻の氏や戸籍の変更

離婚すると、妻は夫婦同姓を目的として夫の姓を名乗る必要はないので、妻は旧姓にもどっても結婚後の姓をそのまま名乗ってもどちらでも問題ありません。

生まれたときの実家の姓を名乗りたい人も、夫の姓で社会生活を営み、銀行口座やパスポートなど公的書類、印鑑を作っている等の事情からあえて姓を変えたくない人もいるでしょう。妻は離婚時から一定期間にどちらを選択するかを決めることができます。姓に関しては、離婚届を提出する際(最大提出後3か月)、旧姓に戻るかどうかを選択することができます。

 

戸籍についても、妻は夫の戸籍から抜けて、親の戸籍にもどるか、新しく自らの戸籍を作るかを選択することができます。日本は戸籍制度があるので、夫の戸籍から出る際にはどこかの戸籍に入る必要があるのです。

 

3. 離婚に伴う子供の氏や戸籍の変更

日本では、離婚する夫婦の9割方は、母親が親権を取得しています。母性優勢の原則ととして、特に子供が幼い間は、母親が親権をもったほうが細かいところに目が行き届くので子供の福祉にかなうだろうという事情によるようです。

一方、婚姻時や子供の出生時には、父親の苗字や戸籍が選択されることが多いので、子供は夫の氏を名乗り夫を筆頭者とする戸籍に入っていることが大半です。したがって、離婚時には、親権者である母親にあわせて子供の氏や戸籍を変更しなくてはいけない事態が生じることが多いです。

 

子供が父親の戸籍に入っている場合、母親が、離婚によって元の苗字にもどる場合でも婚姻時の苗字を使い続ける場合でも、子供の戸籍を父親を筆頭者とする母親の戸籍にうつすためには、裁判所に対して「子の氏の変更許可申立」を行い、その許可を得る必要があります。子の氏の変更許可申立ては、母親が婚姻時の苗字を名乗り続ける場合でも必要です。苗字は父母一緒だとしても、離婚後は戸籍が別になるので、父親の戸籍から母親の戸籍に移すことが必要になるというわけです。

この氏の変更許可申立ては裁判所に出廷すると当日に許可が下りることが多く、郵送請求でも2週間程度で認められることが一般的です。基本的には親権者である母の苗字とそろえる申立ては合理的ですので、ほぼ問題なく認められるのでご安心ください。

申立てに際しては、裁判所の所定の申立書フォーマットの他、子供の戸籍謄本と母の戸籍当方が必要となります。裁判所から許可がでれば、その許可書を、母親の本籍地又は住民票がある市役所等に持参して、戸籍を戸籍を映してもらう必要があります。

 

4.最後に

いかがでしたでしょうか。子供の戸籍や苗字をどうするかは、社会生活上少なからず影響を与える問題です。離婚後も同じ姓を名乗らせて子供の学校生活等になるべく影響を与えないようにしたいという考えもあるでしょうし、心機一転新しい苗字や戸籍を用意したいこともあるでしょう。それぞれの親子、夫婦にとって最適な選択ができることをお祈り申し上げます。

 

 

よくあるご相談 財産分与

サムスン電子の会長長女の離婚成立で、財産分与は14億円というニュースがとりざたされていました。

ここまで財産がある方はスケール感が別ですが、夫婦が離婚する際の財産分与の取り決めは非常に大切な問題です。夫婦で築いてきた家や車、貯金、保険などの共有財産は、意外とたくさんあるものです。

この記事では、財産分与について知っておきたい事項をまとめました。

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1.財産分与ってなに?

財産分与は、民法768条1項に定められています。婚姻期間中は、夫婦は同じ家計で生活していますから、その間に築き上げた財産は、離婚の際には夫婦それぞれの貢献度に応じて公平に分配しようとするものです。

 

2.財産分与には3種類ある

財産分与と一口にいっても、その性質には大きく分けて3つの種類があるといわれています。

一つ目は、清算的財産分与といって、財産分与の本質的な性質である、夫婦が婚姻中に築いた財産を公平に清算しようというものです。この性質から、清算的財産分与は離婚原因を作った側の有責配偶者からの請求も認められます。

二つ目は扶養的財産分与といって、片方が専業主婦だったり病気だったりと離婚によって生活に困窮することになる場合に、扶養的意味合いで多めに財産を分与することをいいます。3つ目の慰謝料的財産分与は、不倫やDVなどの慰謝料を上乗せした財産分与です。慰謝料は不法行為に対する精神的苦痛を補填するためのお金で、本来は財産分与とは違った性質のものですが、同じ当事者からのお金の支払いなので、二つをまとめて解決するために慰謝料を含んだ財産分与がなされることがあるのです。

 

 

3.どのような財産が財産分与の対象となるの?

財産分与の対象となるものとは、結婚後別居開始までに、夫婦が協力して形成・維持されてきた財産となります。これを「共有財産」といい、代表的なものは、自宅などの不動産、家事道具、有価証券、預貯金、車、貴金属、保険金、年金などがあげられますが、夫婦により様々ですので、抜け漏れがないように洗い出しておきましょう。

一方、結婚前から片方がもっていた財産や、婚姻中であっても夫婦の協力とは無関係に取得した財産は「特有財産」と呼ばれ、財産分与の対象とはなりません。代表的なものとしては、独身時代に貯めた預金や親からの相続財産などがあげられます。

 

借金・負債がある場合は、マイナスの財産分与として、考慮されます。例えば、生活費のための借金や住宅ローンなどは、夫婦の共同生活を営むための負債なので、プラスの共有財産からこれを引いて余剰がでたものを財産分与するということになります。

なお、ギャンブルなどで片方が抱えている借金については、夫婦の共同生活を営むための負債ではないので、財産分与には影響しません。

 

 

4.財産分与の割合は?

共有財産が特定できたあとは、それをどのような割合で財産分与するかという問題がでてきます。法律でが貢献度に応じての分配となっていますが、特殊な事情がなければ、それぞれ半分ずつとなります。この割合は、片方が専業主婦で直接外部収入を得ていなかったとしても同様になります。妻が家事や育児をしていたおかげで、夫は外部就労が可能になったと考えられるためです。

ただし、夫婦の取り決めで別の割合で決めることも可能ですし、特殊事情がある場合、例えば夫婦の片方の特殊な才能で、高額な資産が得られたというような場合、それが考慮されて割合が決定されることもあります。

 

5.財産分与の取り決め方

財産分与は、慰謝料、養育費など他の離婚条件とともに決めます。すなわち、協議離婚の中で話し合いで解決されるケースと、調停や裁判など法的な手続きで解決されるケースがあります。

不動産や車など現物で分割できないものは、金銭的な評価をして片方が保有する代わりに、相手は対価を得る、売却をして売値を分配するなどの方法で分割されます。

 

財産分与の対象が多岐にわたる、共有財産の特定に争いがあるような場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

よくあるご相談例 養育費

離婚をする場合に、一番気がかりなことは子供のことというご相談者の方は多いです。

両親が離婚することによる子供の精神的な負担、離婚によって引っ越しをする場合の転校などの環境の変化に加えて、離婚後に子供を養っていくための養育費が十分にもらえるかということは気になりますよね。

 

この記事では、養育費について知っておきたい事項をまとめました。

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1.養育費の意味

養育費は、簡単にいうと、離婚後、子供と離れて暮らす親が支払う子供の生活費です。離婚をすると夫婦は他人に戻りますが、子供と親の関係は変わりません。

親は民法上子供を扶養する義務を負っているので、別居していても、基本的には自分と同じ生活水準で子供が暮らせるように扶助する義務があるのです。

養育費は子供が社会的に自立するまで(自立の定義は、18歳まで、20歳まで、大学卒業までと家庭によって取り決めはまちまちです)、別居親から子供を養育する側の親に毎月支払われることになります。

 

 

2.養育費の相場

養育費は、本来は両親が、自分たちの子供を育てていくのに必要なお金はどれくらいかということを話し合って決めるものです。

そのため、本来は家庭によってまちまちなものです。

例えば、両親ともに高学歴で高収入の場合は、子供についての養育費も自分たちと同じ生活レベル・教育レベルで育つことができるように一般的には高額になります。

しかしながら、養育費を支払う側はなるべく安く済ませたい、もらう側はなるべく多く受け取りたいと考え、利害が対立してしまうことも少なくありません。

 

こうした場合は、家庭裁判所が定めた「養育費算定表」をベースに、機械的に決定せざるを得なくなります。

算定表に基づく養育費はこれまで社会の物価等に見合っておらず低すぎるという批判がありました。

これを受けて、昨年(2019年)12月についに養育費算定表は改定されました。

養育費算定表は、支払う側と受け取る側の親の年収、子供の数や年齢でレンジが決定されるのですが、今回の改定で、だいたいどの世帯でも1万~2万円程度養育費の引き上げがなされたようです。

 

3.離婚後養育費が変更になる場合はある?

 

養育費が支払われる期間は長いものです。仮に子供が0歳時に離婚したとすると、足掛け20年近く支払いが続きます。

長い年月の間に、離婚した親たちの家庭事情や経済状況も変化していくことが考えられます。

例えば、それぞれ再婚をして再婚相手との間に新しい子供をもうけたり、転職や独立など収入に変化があることもあるでしょう。こうした場合に、何年も前に取り決めた養育費の額がだんだん妥当ではなくなっていくことが考えられます。

 

 

そのため、民法880条は、養育費が決定した後で、こうした状況に変化があった場合は、家庭裁判所に養育費の見直しのための調停や審判を申し立てることができる旨定めています。

増額が認められる事情の変化としては、別居親の収入が増えたときや、子供の成長とともに必要生活費が増えたというようなケースがあります。

逆に減額される可能性がある事情の変化としては、別居親が再婚し子供が生まれたことにより扶養家族が増えた、同居親の収入が増えた、同居親の再婚相手と子供が養子縁組をしたということがあげられます。

また、養育費は公立学校での進学を予定して計算されていますが、子供が私立の中学校、高校、大学に進学するケースなどで、事情変更が認められる可能性があります。

ただし、常に認められるわけではなく、両親の学歴、経済力、子供の学習意欲など様々な要素が加味されて決定されます。

 

4.養育費の取り決めは公正証書にしておきましょう

調停や審判、裁判で養育費を取り決める場合以外は、養育費の取り決めは、公正証書にしておきましょう。公正証書にしておくことで、将来養育費の支払いが滞納した場合に、強制執行をかけることができます。

 

 

 

 

よくあるご相談 慰謝料

よくいただくご相談のなかに、離婚したら慰謝料はもらえるのか、どのくらいの金額がもらえるのかというものがあります。

例えば不貞の場合などは、信じていた配偶者やそのお相手への抑えられない怒りからせめてきちんとお金は払ってほしい、という気持ちになってしまいますよね。

 

1.離婚慰謝料が請求できる場合

まず、どういった場合に慰謝料がもらえるのかということをご説明します。

離婚慰謝料は、配偶者に有責不法行為があった場合にのみもらうことができます。

そのため、離婚する場合に常にもらえるかというとそうではないことに注意が必要です。

なにが有責不法行為になるかというと、典型的には不倫やドメスティックバイオレンスなどがあります。民法709条は故意過失により他人の生命・身体・財産に損害を与えた者はそれを賠償する責任を負う旨が定められています。

例えば、不倫を例にとってご説明すると、夫婦間には貞操義務という法的な義務があり、配偶者以外とは肉体関係をもってはいけないこととなっています。そのため、不倫をした配偶者やその相手はその貞操義務を破り、被害者に精神的な苦痛を与えたということになるので、慰謝料を支払う義務を負うのです。

 

なお、不倫やドメスティックバイオレンスに限らず、長期にわたるセックスレスなどで離婚慰謝料の発生を認めている判例もあります。認められるかは個別具体的な事情によりますので、離婚問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。

 

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2.離婚慰謝料請求には証拠が重要

慰謝料を請求するような場面では、相互に感情的になってしまっていることも珍しくありません。特に不倫やドメスティックバイオレンスなどは密室で行われるので、配偶者があくまでシラを切るような場合には、証拠を用意して動かぬ事実をもとに説得していくことが必要になります。

 

不倫の場合におさえておきたい証拠は、肉体関係が存在することの証拠です。法的に慰謝料が発生する不貞関係であるというためには、二人きりでデートをしている、キスをした等ということの証拠では足りず、肉体関係があることを証明する必要があります。

例えば、ラブホテルに入る前後を動画で撮影し、一定時間を2人がホテル内で過ごしたことの記録をつけておくと強い証拠となります。

 

ドメスティックバイオレンスについては、被害にあっているときの状況を相手に知られないように録音録画しておく、被害にあったときの日時、状況、目撃者の有無などを詳細に日記などに残しておくとよいでしょう。

 

慰謝料請求が当事者同士の話し合いで解決しない場合、判断するのは第三者である裁判官等となります。彼らが「なるほど、実際に不法行為があった」と判断するためには、客観的な証拠が非常に重要なのです。

 

3.慰謝料の相場

慰謝料がもらえるケースに該当するとして、気になるのは一体いくらもらえるのかということですよね。

当事者の話し合いで決まる場合は、金額はお互いが納得する金額であればよいということになります。ハリウッドセレブの離婚などで、数億円の慰謝料の支払いがニュースになるのはこうした理由からです。

一方、支払う側はなるべく少なく、もらう側はなるべく多くもらいたいということが多くの人間心理ですから、当事者間では合意できないときには、裁判で決まることとなります。

裁判で離婚慰謝料が決まる場合の相場は、だいたい50万円~300万円といわれています。

このように裁判での相場にも、幅があるのは、夫婦の個別具体的な事情が考慮されるからです。慰謝料は被害者の精神的な苦痛を埋めるものですから、例えば夫婦関係が長い場合のほうが短い場合よりも、不倫の精神的苦痛が大きいだろうという推定がはたらき、より高い慰謝料が認められるという理屈となります。

 

4.最後に

いかがでしたでしょうか。慰謝料をもらえるケースと相場についてご参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

よくあるご相談例 離婚協議

日本人夫婦の9割近くが、裁判所の介入がなく当事者間で離婚を決める手続きである「協議離婚」を選択しています。夫婦の話し合いだけで決まるという側面から簡単というイメージがあるかもしれませんが、第三者の監督がないぶん、きちんとした知識をもってイニシアチブをもって進めていく必要があります。

 

この記事では、よくいただくご相談で、離婚協議の際に気を付けておくポイントについてご説明します。

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1.離婚協議を始める前の下準備

夫婦関係の良好さや離婚の理由にもよりますが、仮に急に離婚を切り出されて配偶者が逆上する可能性などがある場合は、当座の荷物をまとめる、実家など暫定的に避難できる場所を探しておくなどの念のための対策をとりましょう。ファミレスなど一目がある場所で話し合う必要がある可能性もあるかもしれません。お子さんがいる場合は、心理的な影響を考えて、誰かに預かってもらっている時間や登校中など、離婚協議がお子さんの目に触れない場所でできるように配慮します。

 

2.離婚自体と離婚条件について話し合う

離婚協議で決める必要があることは、離婚自体の是非と、離婚する場合の諸条件です。

離婚は協議離婚の場合は、相手の合意のもとで離婚届を役所に提出しなければ成立しません。仮にあなたが離婚を申し出られた側であって、離婚に応じる気持ちがなければ、あらかじめ役所に離婚届不受理申請書を提出しておきましょう。配偶者に勝手に離婚届を記載されて提出されて離婚が誤って成立することを防ぐことができます。

離婚自体に異議がない場合は、離婚条件を決めます。

決めるべき主な離婚条件は、子供がいる場合の親権、面会交流条件、養育費の取り決め、夫婦の財産分与、慰謝料(配偶者に不貞や暴力がある場合)などです。

 

夫婦の話し合いで決まるものですので正解はなく、ご自身の希望をフラットにつたえてよいところです。しかし、あまりに一方的な条件だと配偶者ものみづらいですし、感情を害することにもなるので、おおよその妥当な条件範囲を弁護士に相談したり自分で調べておきましょう。

例えば、養育費は、家庭裁判所のホームページで、夫婦それぞれの年収と子供の数と年齢によっての目安レンジが公開されています。

 

3.離婚協議書を作成する

無事に離婚条件について合意ができれば、離婚条件を離婚協議書という文書にしたため、それを公正証書にしておきましょう。例えば、養育費の支払いは、子供が成人するまでの長期にわたる義務になります。離婚時には合意していても、その後お互いの家庭環境が変わったり、気持ちの変化があったりして、養育費が支払われなくなる可能性があります。

 

調停離婚や裁判離婚の場合は、調停調書や判決があるので、こういった場合強制執行といって元配偶者の給与債権や財産から回収することができます。

 

しかし、協議離婚の場合は当事者の合意ですので、強制執行をするために必ず公正証書にしておくことをおすすめします。

 公正証書にするためには、公証役場に数万円の費用を支払う必要はありますが、将来養育費等が支払われないときに、別途裁判をおこさなくても強制執行がかけられるので大きな安心材料となります。

 

4.話し合いがうまくまとまらないとき

双方がある程度離婚について前向きな気持ちであり、条件についても争いがなければよいのですが、必ずしもそうもいかないケースもままあります。離婚は大きな財産的・身分的な変動をともなううえに、男女間の感情という理屈で割り切れないものが絡むので、ときに双方感情的になってしまうこともあるでしょう。

相手が感情的になりすぎていたり、どうしても折り合いがつかなさそうな場合は、無理に話し合いを続けようとせず、弁護士をとおして交渉したり、調停手続きの中での解決を考えていくことも、一案です。

 

 

よくあるご相談例 離婚の準備・進め方

多くの方にとって離婚は初めての経験ですよね。夫婦関係に悩み離婚を考えているのだけれど、具体的にどのように準備をすすめたらよいかわからないというご相談をよくいただきます。

 

この記事では、そういったお悩みを抱えた方のために、


離婚準備のために具体的になにをすればいいかをご説明しますね。

 

1. 離婚後の生活をシュミレーションしてみよう

たとえば、信じたいた旦那様が不倫をして自分を裏切っていたことが判明したような場合、怒りと悲しみからすぐに離婚したい、と思ってしまうかもしれません。

しかし、ここは少し冷静になって、仮に離婚した場合に経済的にやっていけるかという算段をたててみましょう。

お子さんがいる場合、お子さんを含めて、離婚後の生活費や住まいは確保できそうでしょうか。

離婚でもらえるお金だけで生活できるケースはあまりないです。

不倫などの離婚慰謝料の相場は50万〜300万円といわれています。また、養育費は2019年12月に引き上げ改定がなされたとはいえ、現実に子供を育てていくにはとても足りない金額といえます。また、養育費が最後まで支払われるケースは残念ながら全体の2割程度だそうです。(養育費の不払いについては、養育費の支払い義務を公正証書にしておくなど、対策をとることでリスクを下げることはできます。)

あなたがいま専業主婦やパート勤務などで、収入に不安がある場合、一旦実家に戻り祖父母の支援を受けられるかを検討したり、数年後の離婚を目指して安定した仕事を探す、資格の勉強をするなどの手段を検討してみましょう。

 

2. 証拠収集をはじめよう

離婚を考えている理由が、配偶者の不倫や暴力などの場合は、離婚交渉や調停、裁判のために、証拠を集めはじめましょう。

離婚に同意してもらえない場合や慰謝料請求の際に、証拠は重要です。

家族や夫婦、男女間の出来事はクローズドな環境でおきるので、目撃者などもいないことが多く、言った言わない、やったやらないの言い争いになることも多いです。

そんなとき、調停員や裁判官などの第三者を納得させ、自分に有利な結果を導くためには客観的な証拠が必要なのです。

たとえば、SNSの履歴、領収書、メモ、録音録画物など、相手に警戒されないように、少しずつ証拠収集をはじめましょう。

 

3.希望の離婚条件を考えておく

日本の離婚の9割近くは、協議離婚といって、夫婦の話し合いで離婚が決まります。協議離婚の場合、離婚条件は当事者同士が納得していれば基本的にその内容で決まります。

もちろん相場とかけ離れた条件だと配偶者の納得も得られないのですが、まずは自分の希望や譲れない条件を書き出してみましょう。

検討しておくべき事項は、子供の養育費を月々いくらずついつまでもらうか、慰謝料はいくら請求するか、夫婦共有財産はどう分割するか、親権はどちらがもち、面会交流の条件はどのようにするか、などです。

離婚条件が相手との間で合意できたら、確実に合意内容が実施されるように、離婚協議書にしたため、公正証書にしてもらいましょう。

 

4. 弁護士に早めに相談しておく

離婚準備を円滑に進めるために、早めの段階で離婚問題に強い弁護士に相談しておくこともおすすめです。手続きや流れを事前に頭にいれておくと余裕ができますし、配偶者と揉めて調停や裁判になったときに、弁護士のサポートを受けられると、安心です。弁護士事務所の無料相談や法テラスなどを利用するのもおすすめです。

 

5. 最後に

いかがでしたでしょうか。離婚を切り出す前に、落ち着いて準備をすすめ、納得のいく形での離婚を成立させていきましょう。

離婚に悩まれる方へ

3組に1組は離婚するといわれている日本の社会では、実際に離婚にまで踏み切るには至ってなくても、離婚するかどうか悩んでいる方は本当にたくさんいると思います。

私が勤めている法律事務所でも、不倫や婚姻関係についてのご相談は毎日のようにあります。

 

ご相談をお受けしていて思うのが、離婚問題が悩ましいのは、男女関係という感情の問題と、経済的な問題や子供への影響など実生活の問題が複雑に絡まっているからだなと思います。

交際しているカップルであれば感情だけでお付き合い終了も可能ですが、離婚となるとそうもいかず悩んでしまいますよね。

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離婚してより自由に幸せになる方もいれば、夫婦の危機を乗り越えてより良い家庭を再構築する方もいるので、一概にどうするべきという答えはありません。

しかし、じっくり考えてだした結論であれば、必ず未来は開けます。

離婚するかどうか悩んだ時は以下のようなことを是非考えてみていただきたいと思います。

 

1. パートナーへの気持ち

離婚を考えるきっかけは、配偶者の不倫やドメスティックバイオレンス、性格の不一致など様々なものがあります。ドメスティックバイオレンスのような場合は身の危険を守るために選択肢がないこともありますが、他の理由の場合は、許容して修復をする道も離婚をする道もあるでしょう。パートナーへの気持ちを見直して本当は自分はどうしたいか考えてみましょう。

このときに注意したいのは、悩むあまり相談相手を間違えてしまうことです。

例えば、修復を望んでいるのに、夫婦問題を両親や義両親に相談した、親の方が感情的になって拗れてしまい、より関係が悪化してしまうというようなケースもありました。

相談したいときは、離婚問題に詳しい心理カウンセラーや配偶者とは共通の知り合いではない友人がおすすめです。

 

2. 離婚できるのか、または離婚に応じなければならないのか

日本の民法は有責性をとっています。つまり、基本的には、相手に不倫やDVなど法律で定められた有責性がない限り、双方合意しなければ離婚できないこととなっています。

そのため、性格の不一致や、愛情がさめたというような曖昧な理由では、一方的に離婚はできません。どうしても離婚したい場合は、相手を説得したり、家を出て別居期間を数年間蓄積し、夫婦関係が破綻していることを裁判所に認めてもらう必要があります。

逆に離婚したくないのに、これといった理由な相手から離婚を請求されている場合や相手が不倫相手と結婚したいから離婚してくれといっている場合は、慌てなくていいということにもなります。配偶者の地位は法律で守られているのです。

配偶者と離婚について話し合う前に、自分の主張が離婚調停や離婚裁判になったときに、どのくらい通りそうなのかを見積もっておく必要があります。離婚案件の取り扱いが多い弁護士事務所では、初回無料相談などを実施しているので、まずはこの点について弁護士の意見を聞いてみましょう。

 

3. 子供のこと、お金のこと

子供がいる場合、離婚時にに父親か母親のどちらか一方を親権者に定めなくてはいけません。親権はどちらがもつか、親権者とならなかった方の親が支払う養育費や面会の条件はどうするかも考えておく必要があります。

 

離婚して経済的にやっていけるのかということも算段が必要ですね。これまでフルタイムで働いていた場合はあまり問題にならないかもしれないですが、そうでない場合、仕事を探したり資格をとったり、離婚をする前に経済的基盤を整えはじめていくこともおすすめです。

 

4.最後に

いかがでしたでしょうか。離婚をするにしてもしないにしても、ご自身でよく考えてだした結論であれば、人生は前に進みます。

この記事に記載したようなポイントをひとつずつよく考えて、ベストな結論を出されることをお祈りしております。

 

 

自己紹介

はじめまして、このブログの管理人ririkoと申します。

数あるブログの中からアクセスしていただき、本当にありがとうございます。

 

1.私のことについて

私はいま38歳の女性で、都内に夫と6歳になる一人娘と3人(+猫1匹)暮らしをしています。法律事務所にパラリーガルとして勤務しながら、離婚問題に強い弁護士を目指して勉強中です。子育てと働きながらの勉強は、勉強時間の確保が大変ですが、夢にむかって頑張れるということは幸せだな、と思っています。趣味は、映画鑑賞と幼いころから続けている茶道です。

 

ブログを書くのは初めてですが、幼いころから自分の体験をまとめて人にシェアするのが好きでした。日記や報告書をまとめると頭が整理されてすっきりします。

ITにはあまり強くないので、書いたブログをミスして消えてしまったり、改行がうまくいかなかったりと至らない点も色々あると思いますが、徐々に上達していきたいと思いますので、おつきあいいただけると嬉しいです。

 

2.離婚のブログを書き始めた理由

いま離婚弁護士を目指して勉強していることと、このブログを書き始めたことの理由は、自分の離婚経験で悩んだり試行錯誤した経験を生かして、同じ悩みを抱えていらっしゃる方のお役に立ちたいと思ったからです。

 

離婚問題に悩んでいるときは、あるときはもう離婚だと思ったり、あるときはまだ頑張れると思ったり信条が揺れたりしますよね。また、かつては愛した人との鋭い離婚条件交渉で心が疲れてしまうこともあると思います。

また、友人や家族にも気軽に相談しにくい話題なので、1人で悩みを抱えてしまいがちですよね。そんなときに、情報収集の場として、このブログを活用していただけると嬉しいです。

 

3.離婚と法律

いまでこそ、優しい夫と可愛い娘ととても幸せな家庭生活を送っていますが、過去は不倫・モラハラの夫との結婚生活に悩み、2年にわたる離婚協議と離婚調停を経験しました。

離婚協議、離婚調停では、慰謝料、財産分与、親権、養育費などの色々な悩みに直面しました。こんなにたくさんの種類の問題がでてくるのだと圧倒されたこともありました。離婚は結婚の10倍のエネルギーがかかるとは、よくいったものだと思いました。

 

離婚調停を経て思ったことは、知識武装が必要だということです。

離婚は、夫婦という最も近い人間関係の解消という意味では、とても感情的な問題ではありますが、お金や身分関係の変動という意味では、複雑な法律問題だといえます。

 

 

そのため、感情と法律的な問題をわけて考えること、正しい法律知識をみにつけることは、離婚をするにしても、夫婦関係の修復を目指すにしても、とても大切なことだと思いました。

例えば、いくら不倫をしたパートナーが許せないからといって、子供の面会交流を拒否し、一切会わせないという主張を感情的にすると、かえって調停の場で、親権者として不適切だという自分に不利な判断につながっていってしまうこともあります。調停には何かを決める権限はありませんが、やはり調停員に味方についてもらえるかどうかということは大きな問題です。このときに、自分の意見を述べる前の段階で、不倫慰謝料と面会交流権は異なるものだということをあらかじめ知っているかどうかで、とるべき対応が変わってきます。

また、例えば、不倫をしている配偶者から離婚を請求されていたとしても、正しい知識があれば、おそれることなく、納得がいくまで離婚を拒絶することだってできます。

 

どちらの結論を選ぶにしても、自分がより幸せになれる道を探して、慎重かつ丁寧に考えていくことが大切だと思います。

 

4.最後に

ここまでお読みいただいてありがとうございました。皆さまが納得のいく決断をすることについて、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

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